お金をかけたくないのなら無料でやれる方法を探すべきという話
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自社のWEBサイトがほしい。でも効果が見えないものに対しては正直あまりお金をかけたくないという経営者様もいらっしゃると思います。
リアルな話をすると、WEBサイト制作は予算が少ないと、できることが本当に限られてしまいます。この記事では、低価格帯のサイト制作のリアルと、『であればどうするべきなのか』という解説をしていきます。
最低価格帯のサイト制作。そのリアル
ホームページ制作の予算感どのくらいですか?
僕が知る中でのホームページ(コーポーレートサイト)制作の最低価格帯はだいたい30万〜40万くらいなんですが、こういう50万を下回るような価格帯のサイト制作にかけられる実工数はおそらく3日〜4日程度です。
最大のコストをかけたとしても2週間(10営業日)程度が限界でしょう。
だってこれ以上時間をかけると利益がなくなり、かけた時間コストは相対的にマイナスになってしまいますから。
3日程度で完成するサイトってどんなの?
3日でできるの!?って思いますよね。
それにはちゃんとからくりがありますので、後ほど解説します。
で、実際それってどんなサイトなのかと言うと、あってもなくても事業に何の影響もないそんなサイトです。下記に特徴を列挙します。
- 検索になかなか出てこない(URLを直接打ち込まないとページにたどりつけない)
- (※1)指名検索しても同じ名前の会社のホームページが上位に出てくる
- 画一的なデザインと構成
- 10ページ以内の小ボリューム構成
- 1ページあたりの内容も端的でミニマム構成
- 動的機能及びそれに最適化されたUIがない
※1 会社名などの固有名詞で検索すること
要約すると、ほぼ誰にも見てもらえない会社パンフレットを何十万もかけて作るようなものです。
短期間納品のカラクリ
なぜ、3日やそこらでWEBサイトが完成するのか疑問に思いますよね。
結論から言うと、金太郎飴方式で制作しているからです。
どういうことかと言うと、他社のサイトを制作した時に使ったデザインやソースコードをまるごと流用して、会社名・画像・文章などを差し替えて作るのです。
WEBサイトは戦略性や独自性を一切排除して、”ただ決まった形を作ることのみに特化させる”のであれば、こういうことも可能なのです。
従って、この流用を全ての制作においてルーチンとしてしまえば極めて短期間での制作が可能になるわけです。
その代わり、目的を無視して定形にしてしまうのですからその弊害は当然出ます。おそらくそのWEBサイト内にお問い合わせフォームがついていたとしても、迷惑メール以外にお問い合わせが届くことはないでしょう。
『そんな何の意味もないWEBサイトに何十万もつぎ込んでしまった』なんて後でわかった時には目も当てられません。
WEB業界には昔からこういった”テンプレ業者”が存在しており、例えば飲食業や美容業など、それぞれ特定の業種や規模の事業者をターゲットに活動しているようです。
テンプレート制作は完全に悪なのか?
ここまでテンプレサイトの悪い部分を上げてきましたが、テンプレ利用が全ての状況において悪になるかというと、そうでもありません。
要は使い所なのです。下記の点に留意して正しく利用できれば有用と言えます。
- やりたいことに対してそれができる機能がついているか
- 発信したい内容と相性は悪くないか
- 運用コストは悪くないか
- テンプレートだとわかって利用しているか
上記に上げた内容の中で機能性と相性は当然として、『運用コストは悪くないか』は特に重要です。
テンプレートの仕様などが継続運用に耐えられるレベルで作られていないと運用コストに潰されてしまいますから、運用性の完成度が高いのと低いのとでは本当に天国と地獄くらいの差があります。
最後に、自社のサイトがテンプレートによるサイトであることを納得して使っているのと、そうでないのとでは、話が大きく変わってきます。
クライアントが知らないのをいいことに裏で金太郎飴で納品する行為は、悪辣以外の何ものでもありません。
WEBサイトがなくても情報発信は無料でできる
先述の通り、実工数が3日、長くても10日以内で完成するようなコーポレートサイトにはいくらの価値もありません。これは断言できます。
しかし、安心してください。金太郎飴フォーマットでできる程度の情報発信は、SNSを使えばそれ以上のことができます。
無料でできることは意外に多い
下記にざっと企業や事業のPRに有効に使えそうなSNSを列挙しました。
- Youtube
- 無料のホームページ制作ツール
たくさんありますね。そう、たくさんあるんです。
あっても意味がないホームページ制作に何十万もつぎ込むんだったら、ダメでもともと、SNSでの情報発信に注力して社内に知見を蓄えた方がかなり有意義です。
『とりあえず信用としてホームページの形がほしいんだ』ということでしたら無料のホームページ制作ツールでの制作が良いと思います。
ホームページ(コーポーレートサイト)が必要なケースと不必要なケースをちゃんと考察
先述の通り、SNSや無料のホームページ制作ツールを使えば情報発信は無料でもできるわけですが、ではプロユースのコーポーレートサイトが必要になるケースはどんなケースでしょうか?
プロユースのコーポーレートサイトが必要なケース
それは中長期的な戦略上、事業の独自性と信用性を継続して発信していくことが必須となる場合です。
コーポレートサイトのステークホルダーは、既存顧客・潜在顧客・取引先・株主・求職者・行政機関など実に多様です。
これらのステークホルダーが求めているのは過去の情報ではなく、タイムリーな情報です。こういったシチュエーションでは静的な情報にあまり価値はありません。
特に、潜在顧客や求職者や株主がサイトを閲覧しにきた際に、『独自性がない』『いつの情報かわからない』と感じられた場合には信用性が低いと判断され、すぐに(※1)リターンされることでしょう。
上記のように戦略を持って潜在顧客を獲得していくためには、”とりあえず作った感”が満載のテンプレサイトやSNSだけではやはり信用や興味を引くのは困難ですので、プロユースのコーポレートが必要になるわけです。
(※1)サイトからの離脱。ブラウザの戻るボタン。興味を失いユーザーが去っていくこと。
プロユースのコーポーレートサイトが不必要なケース
先述のような『継続的な信用と興味の獲得』が必要ない場合には、テンプレサイトでも無料の自作ホームページでもSNSだけでの情報発信でも、第3者から見た『信用』という意味では大差ありません。従って、その場合には”無料で利用できる何か”で間に合うということです。
信用は、ホームページについてまわるのではなく、今までやってきたこと、すなわち『情報』についてまわるのです。そして情報を見る媒体は必ずしもホームページである必要はありません。
取引先の担当者からしたら、Facebookの企業ページで情報を得るのも、小規模なホームページで情報を得るのも信用性という意味では、感覚的な差はほとんどないのです。
まとめ
継続的な信用と興味の獲得が事業の戦略上、必要な場合にはプロユースのコーポーレートサイトを持つのが正解。
逆にそういったことに『必要性を感じない』『お金をかけたくない』と感じているうちはSNSや無料のツールで十分。
安易に30〜40万くらいのサイト制作を依頼してしまうのは一番損をする可能性が高い。
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