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TAKAGI KUNIO

自転車漕いでるサイト制作会社の話

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登る時笑う男(真剣)

自転車漕いでるサイト制作会社の話ということで、何の話かちょっと検討がつかないと思いますが、今回はざっくり言うと制作業界の経済の話です。タイトルの自転車は、”自転車操業”のことです。

というのも、真面目な話をすると、業界の常識さえ知ることができれば制作会社選びで失敗する可能性を大幅に減らせるんですよね。

というわけで、この記事では制作業界の経済と常識について解説していきます。

それではさっそくはりきって業界の経済をえぐっていきます。

制作会社の経営戦略

味方が全滅して尚、推して参る王将

制作業というのは、言うまでもなく製品を作るのに一定の時間がかかります。

そこで重要になってくるのが、”何を作るか”そして”いくらで売るか”ということなのですが、制作会社の経営戦略は大きく分けて以下の2つのタイプに分けることができます。

  • 高度な戦略・合理的な仕様・優れた企画のコンテンツ・興味深いデザイン・優れた運用性などを提供することで、目的達成の確度の高さを売りに高価格帯のブランディングを築く戦略
  • 価格的な間口を広くして、できるだけ何でも受ける戦略

1つ目のタイプは、サービスの質を重視してそれをブランディングにしている会社の戦略です。

2つ目のタイプは、制作コストを抑えつつ、なるべく多くの案件をさばいて利益を稼ぐ会社の戦略です。

納品物の程度や保有するスキルレベルはピンきりですが、日本では後者のタイプの制作会社が圧倒的に多いイメージです。

高価格帯の制作会社の特徴

プロフェッショナル

こういった制作会社は、彼らの能力そのものが会社の独自性と言えるため、他社との差別化が明確であり、それぞれがオンリーワンのような存在です。

彼らはそのサービスの性質上、業務に高レベルのスキルを必要とするため、人材には多額の投資が必要になります。

しかし彼らには、難度の高いミッションでも綿密な調査とアイデアでユーザーの関心を引くコンテンツを作る力があるため、企業戦略としてブランディングとWEBマーケティングが必須だと考えている会社から強いニーズがあります。

彼らのサービスは高価ですが、希少性が高いため、それが付加価値になっているのです。

つまり彼らは、制作という作業で利益を出しているのではなく、知識と技術とアイデアで利益を出しているのです。

できるだけ何でも受ける制作会社の特徴

多忙なエンジニア

結論から言うと、彼らに独自性や特徴を見つけるのは難しいです。

ミニマムな事柄では特徴と呼べなくもないようなことがあるのかもしれませんが、正直それがどの程度フックになるのかはわかりません。

サービスに独自性や付加価値がない以上、なるべく多くの案件をさばくことを至上命題としています。また、社員のスキルレベルを留意するよりも人件費を抑えることを優先しなければならないため、保有スキルレベルはおしなべて高くないのが普通です。

つまり彼らは、1つ目のタイプとは逆に、制作という作業で利益を出しているのです。

付加価値がないサービスは、自転車操業に陥りやすい

自転車を漕ぐ男

先述のようにサービスに独自性がない会社は、他社との差別化が図れないため、付加価値がつけられません。コンペなどで価格勝負になることも少なくないでしょう。

その結果、薄利多売的な動きになるわけですが、制作にはそもそも人手がかかるものです。

たくさん作ろうと思えばまた人件費がかかり、という悪循環に陥るのです。

薄利多売は中小企業には不向きな戦略である

Amazon

本来、薄利多売戦略で戦っていく場合、初めからある程度の規模を用意し、超効率的に仕事を回せる仕組みなどを用意する必要があります。

Amazonや大手スーパーマーケットなんかはまさに規模の経済のお手本です。

しかし、上記のような規模と仕組みを用意することは、多くの中小企業にとって容易でない、というよりも現実的ではありません。

そもそもリソースへの多額の投資を避けるために低コスト戦略をとっているわけですから、規模を用意するとなると本末転倒になってしまいます。

しかし、それはミッションのクリアに絶対に必要な装備がないままミッションに挑み続けているようなものですので、どうやったってジリ貧になるのです。

泥試合に踏み込んでしまう、そもそもの原因

泥についた足跡

先述のように、実は多くの制作会社が自転車操業に陥りやすい状況にあるということをこれまで解説してきたわけですが、その原因は、”WEBコンテンツへのリテラシーの低さにある”と僕は考えています。

WEB上に数多存在するWEBサイト。それらに課せられた目的はサイトの数だけありますが、しかしそれらのほとんどに共通して必要になってくる要素が1つあります。

それは継続的にユーザーの関心を引くことです。

そしてそれをするためには、それが可能な仕組みとアイデアが必要なのです。

要するにWEBサイトを1つのコンテンツと捉えた時に、最も重要なのは企画性の高さです。”いかにユーザーの関心を引き、伝えたいことを伝えるか”を実践する、サイト制作業とは本質的にそういう仕事なのだということなのですが、そこを理解していない、もしくは軽視しているからこそ、”単純にサイトの形を作って納品する”ことを商売とし、それに終始してしまうのではないかと思うのです。

また、資金的な問題も大きいはずです。十分なスキルを保持していくためには人材確保に莫大な投資が必要です。高レベルのスキルを確保するのも維持していくのも、魅力的で良い会社でなければいけませんから、社内環境整備からお金がかかるわけです。

こういった部分は経営者のポリシーも関係してきますから一朝一夕ではどうにもならない問題かもしれません。

まとめ

今回はサイト制作会社が抱える事情について経済的な視点を交えて解説してみました。

こういった事情を1つずつ知っていくことで、検討中の会社の実績や費用感から『その会社がどういう制作を主体としているのか』がおぼろげながらも見えてくるはずです。

そうすればサイト制作で失敗する可能性を大幅に減らせますよね。

他の記事でも業界の常識について解説していますので、検討する際の参考材料にしていただければ幸いです。

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カテゴリー:
制作会社の実情

メガネ

著者:TAKAGI KUNIO

WEBデザイナー歴8年。フリーランスのWEBデザイナーです。

ワードプレスでのサイト制作を得意としています。

丁寧・シンプル・整然をモットーにWEBサイトの開発をしています。ユーザー心理に則った感覚をフィードバックし、合理的なUIを提案。クオリティの高いデザインを提供します。

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